労働者のための生活習慣改善プログラム
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・VO2max (L/min)543210・Mitchell, J. H., Levine, B. D., & McGuire, D. K. (2019). The Dallas Bed Rest and Training Study: Revisited After 50 Years. Circulation, 140(16), 1293–1295. なぜ宇宙かって?読めばわかります。私、なんでも知ってます。はい。ベースラインから12%down運動で14%up宇宙滞在模擬実験参加者の心肺持久力の変化ベースライン30年後の追跡調査40年後の追跡調査ベッドレストで27%down1966年にベッドレスト実験(微小重力環境≒宇宙滞在の模擬実験)に参加した5人(全員当時20歳)の男性を長期間追跡し、VO2max(心肺持久力)の変化を観察した研究です。ベッドレスト直後と30年後に持久系運動トレーニングを行っています。わずか3週間のベッドレストが40年間分の加齢に伴う体力低下に匹敵することや、加齢による体力低下は運動によって予防できることなどが分かる研究として注目されています。ベッドレスト実験3週間運動で63%up持久力運動トレーニング8週間ベースラインから27%down持久力運動トレーニング8週間(微小重力環境の模擬実験)微⼩重⼒環境である国際宇宙ステーションに数週〜数ヵ⽉間滞在すると、⼼肺持久⼒が20〜30%減少すると⾔われています。加齢に伴う⼼肺持久⼒の低下が40年で30%程だったことを⽰した研究もありますので、重⼒が⾝体に及ぼす影響がいかに⼤きいかが分かります。微⼩重⼒環境で⼼肺持久⼒が低下するのは⼼機能が低下するためです。⼼機能低下の原因としては、体液シフトなどの影響により、⼼臓への負荷が軽減する(⼼臓を活発に動かさなくても良い状態となる)ことなどが挙げられています。実は、この「⼼臓への負荷が軽減する」状況は、私たちの⽇常⽣活でも⽣じています。座りがちな⽣活スタイルです。現代の労働者はデスクワークの時間が⻑く、⼼臓への負荷を必要以上に軽減させてしまっている⼈が少なくありません。労働者の⼼肺持久⼒が低下傾向にある原因の⼀つと⾔われています。宇宙滞在は心肺持久力に与える影響は、結構あるらしい博士のひとり言- 宇宙の話 -

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